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フィルムの現像に興味を持ったのは、1977年くらいだったと思う。 星の写真を撮ろうと思ったのだが、 入門書を見ると「自分で現像すべし」と書いてある。 普通の写真と違ってネガはほとんど透明なので、 店に任せると肝心の被写体のど真ん中でフィルムを切られてしまうこともあるそうな。 また、相手が相手だけに増感現像も必須で、 自分で現像したほうが有利なのだそうだ。
増感現像だけなら、 割高といえども町のショップでも引き受けてもらえる。 また、 現像の終わったフィルムは切らずにスリーブのまま返してもらえば問題はない。 でも、小学生の頃から父親が引き伸ばしをやっているのを見ていたせいか、 ふつふつと自分でフィルム現像をやりたくなったのだ。当時14歳である。
少ない小遣いをやりくりしながら、キングのベルト式、片溝式、 LPLのステンレス両溝式と、一通りは使ってみた。 ベルト式は、どうしてもパーフォレーション部分に乳剤が残ってしまう。 うまく、定着液が接触しなかった。 片溝式は使いやすくて、1本を現像するにはいい。 両溝式は120用のタンクを買った。 これだと、135用のリールが2本入るのだ。 まとめて現像するにはこっちのほうが便利だった。
引っ越しでどこにしまったか行方しれずだったので、 家捜ししたところようやく見つけだした。 屋根裏部屋で高温にさらされていたので、 薬品保存用のプラスチックボトルや、ダークバックはいかれていた。 が、現像タンクは大丈夫そうである。 久しぶりに、また現像でもしてみようか。
ようやく、ダークバッグを購入した。 20年ぶりにフジドールなどもお湯に溶かしてみる。 定着液を保存していたポリタンクには、 内側に黒いものがこびりついていた。 もしかしたら、銀が析出しているのかもしれない。 しかしこれが定着液中に漂ってくるので、 保存容器としては使いものにならない。
20年前に比べれば、経済的な余裕も少しはある。 保存容器はもちろんのこと、メジャーカップも3つそろえた。 現像、停止、定着に使う薬液を入れて、 現像タンクと一緒に20度の水を満たしたバットにひたしておくのだ。 これで温度管理もばっちり。液の入れ替えも迅速にできる。
いよいよ20年ぶりの現像。 フジドールを1:1に希釈して、 20度9分でネオパン400プレストを処理する。 停止、定着、予備水洗、水洗促進剤浴、本水洗、水滴防止剤浴。 ああ、懐かしい。が、やはり失敗。 リールへの巻き込みがうまくいかず、 最初の一コマはうまく現像できなかった。
1週間たって、ふたたびチャレンジ。今度はうまく巻き込めた。
が、フジドール1:1希釈で20度9分という処理だと、 コニカパン400は薄いネガになってしまう。 10分くらいが適正なのだろうか?
子供の学芸会を撮った写真を現像してみる。 コニカパン400で、先日の結果からフジドール1:1希釈、 20度10分で現像してみた。 被写体がステージの上という特殊条件なので、 いまひとつ比較がやりにくい。 だが、ステージ以外の会場を撮った雰囲気では、 このくらいで正解のようだ。
うっかりネオパンプレスト400をISO 100の露出で撮ってしまった。 そこでいわゆる減感現像に挑戦してみた。 フジードルを水で1:1に希釈し、 22度5分で処理すると、まあまあの結果に。
現像液をスーパープロドールに変更。 最近はネオパン400プレストを使っているので、 現像は指定通り水で1:1に希釈して20度7分で処理する。 結果はまず満足できるもの。しばらくはこれでいってみよう。
現像液として、T-MAX現像液を使ってみた。 保存液は、かなり濃度が高い。 冷蔵庫に保存しておいたせいかもしれないが、 メスシリンダーに移すときの見た目がトロリとしている。 水で5倍に薄めて、24度6分で現像した。 ネオパン400プレストだと、かなり濃いネガになる。 というよりも、コントラストが高いというべきか。 トライX同様に、20度6分のほうがいいかもしれない。
しかし、コダックもえらいなあ。 「T-MAX現像液のデータシートはどのようにすれば入手できるのでしょう」って、 Webにあったアドレスに問い合わせたら、 いきなり「今日、発送しました」って返事が来るんだもんなあ。
T-MAX現像液で2回目の現像。 今回はネオパン400プレストを、20度6分で処理してみた。 まあまあの仕上がりである。 しかし、定着液が古いせいか、なかなか抜けなかった。 そろそろ、新調しよう。
富士写真フィルムだと黒白写真処理薬品が参考になる。 各種データシートもあり。 これによると、ネオパン400プレストをT-MAX現像液24度6分で処理すると、 EIで1000くらいになるようだ。 これにEI400で露光を与えているのだから、 そりゃあ見た目にも濃いネガになるわけだ。
T-MAX 400をT-MAX現像液で処理する。 データシートだと24度6分が標準だが、22度6分で現像してみた。 ちょっと薄いような気もするが、まあまあだ。 もともとデータシートでは散光式の引き伸ばし機を対象としており、 集光式の場合は20%から30%時間を短かくすべしとある。
ただ、思ったよりも中間トーンが出ている。 というよりも、全然コントラストがないように見える。 現像が浅かったせいなのか、スキャナとの相性なのか。 アサヒカメラの月例コンテストなどを見るかぎりでは、 もっとコントラストの高い、ガチガチの絵を想像していたのだが。
余談ながら、現像液にずいぶんと色が付くので驚いた。
ネオパン400プレストは淡いピンクだが、T-MAX 400だと茶褐色になる。
今日はT-MAX 400とネオパン400プレストを、 T-MAX現像液で処理してみた。 まずT-MAX 400は、22度6分30秒でまあまあの濃さになった。 コントラストもそこそこついているようだ。 わずか30秒の違いで、けっこう変わるものである。
T-MAX 400を処理した液を捨てず、 そのまま続けてネオパン400プレストを処理する。 22度5分にしてみたが、かなり薄い。 ちょっと現像液の疲労が強いようだ。 まあ、1ガロンで使ったときの反復利用しかデータはないから、 しかたがない。 やはり現像液はケチらずに使おう。
富士フィックスを溶解するとき、 珍しくドキュメントに従って粉末薬品全量を一度に水に投入した。 すると危惧したとおり、メスカップの底に薬品が固まってしまった。 割り箸で砕いて溶かしたが、 次からはやはり少しずつ薬品を投入することにしよう。