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計算尺推進委員会
計算尺愛好会 旧名泥沼愛好会
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メーカー | 型番 | 刻印 | 製造年月日 | 入手年月日 |
---|---|---|---|---|
コンサイス | 27N | なし | 不明 | 2005年7月24日 |
コンサイス | 300 | なし | 不明 | 2005年7月24日 |
ヘンミ | 30 | XA | 1973年1月 | 2005年8月6日 |
ヘンミ | 45K | NJ | 1963年11月 | 2005年10月14日 |
ヘンミ | 250 | RE | 1967年5月 | 2005年11月16日 |
ヘンミ | 251 | XI | 1973年10月 | 2005年7月23日 |
ヘンミ | P253 | QF | 1966年6月 | 2005年9月6日 |
ヘンミ | 259 | ?? | 19??年?月 | 2006年8月3日 |
ヘンミ | 259D | NA | 1963年1月 | 2005年9月24日 |
ヘンミ | 259D | NA | 1963年1月 | 2005年9月24日 |
ヘンミ | 259D | VE | 1971年5月 | 2006年8月3日 |
ヘンミ | 266 | J | 1959年 | 2005年10月14日 |
ヘンミ | 2634 | XB | 1973年2月 | 2005年7月29日 |
ヘンミ | 2664S | IB | 1958年2月 | 2005年12月9日 |
ヘンミ | 2664S | JG | 1959年7月 | 2006年8月3日 |
ヘンミ | 2664S | WL | 1972年12月 | 2005年9月7日 |
リコー | 84 | SS-2 | 不明 | 1975年頃 |
小学生の頃、計算尺に憧れていた。 まだ電卓などは個人で買える代物ではなかった時代である。 中学生になれば、 学校で教えてもらえるのではないかと期待していたのだが、 ちょうどカリキュラムが切り替わる時期だったのだろう。 結局、学校では教えてもらえなかった。 まあ電卓が急速に安くなっていったので、 いまさら教えることもあるまいという判断だったのかもしれない。
しかし、どうしても使ってみたくて、 どこでだったかは忘れたが、 リコーのNo.84という初学者用のモデルを買い込んだ。 テキストは市立図書館から借りて、独学である。 もちろん中学生がそんなに複雑な計算をやるわけがない。 有効数字などという概念などもよくわかっていなかった。 それでも、掛け算、割り算をやってみて、感心した覚えがある。 今でもこの計算尺、机の引き出しに入っている。
その後は電卓が安くなり、すっかり計算尺はお蔵入りしていた。 しかし、Wikipediaを見たところ、 まだ新品が流通在庫として入手可能なのだ。 つい、仕事の帰りに銀座の伊東屋によって買い込んでしまった。 ヘンミのNo.251で、 6825円也。 安っぽい黒ビニールのケースに、 コピーして中閉じしたマニュアルが付属する。 モデルナンバーを右肩にしたとき、 手前側面左側になる部分にXIの刻印がある。 これから判断すると、1973年10月製造のものらしい。 実に32年ほど前に製造されたことになる。
リコーのNo.84に比べると尺が増えて、かなり複雑な計算も行える。 私のほうも、それを理解できるようになっていた。 かつては位取りも、有効数字もさっぱりだったが、今ならわかる。 といっても、完全に趣味の世界だな、こりゃ。 ちなみに、 コンサイスの円形計算尺は、 まだ生産しているという。 こっちは2000円くらいなので、これまた買ってしまいそうで怖い。
結局、 丸善本店でコンサイスの円形計算尺も購入。 No.27Nが840円、No.300が2205円、合計で3245円である。 どうせ使わないのはわかっているのだが、 この値段だとつい買ってしまう。 文具売り場の片隅にひっそりとかけてあった。 ラベルが見えない方を手前にしてあったので見つけられず、 レジの店員さんに尋ねるハメになった。 どっちも硬質プラスチックス製で、 60度以下の環境で使うこと、 となっている。
No.27Nのほうは、内側の円盤がちょっと盛り上がっている。 薄い円錐の頂点側を切り落とした感じ。 おかげで、どこが動くのかすぐにわかる。 付属のマニュアルはA4のペラ1枚に片面印刷のもの。 もう、計算尺を知っている人以外はお断り、という雰囲気。
対してNo.300のほうは完全な面一である。 表と裏は独立して動くようなっているのだが、 ちょっと見た目には、どこが動くのかわからない。 まあ表も裏もC尺とD尺があるので、 計算尺を使ったことがあれば見当はつくのだが。 とはいえ我が家で計算尺が使えるのは私だけ。 弟も娘も、物珍しそうに見るものの、さっぱりわからないらしい。 マニュアルは、なぜかA4たて2/3くらいのペラが2枚。 長辺方向はA4よりもちょっと長く、これも片面印刷。 No.300とNo.270Nとの差分なのかと思ったが、 そうでもなさそうである。 なんでこんな形になっているんだろう? 素っ気なさの点ではNo.27Nのマニュアルといい勝負だ。
どちらの計算尺も、D尺の基線にC尺の4を合わせると、 C尺の基線はD尺の2.5を指さない。 ちょっと精度に問題があるのではなかろうか。 リコーのNo.84もちょっとずれるが、 さすがにヘンミのNo.251はずれない。
どうも、計算尺スイッチが入ってしまったらしい。 調子に乗って、 ヘンミのNo.2634をYahooオークションにて4200円で落札。 5インチサイズの一般事務・技術用というやつだ。 No.30というのが4インチサイズでさらに一回り小さいのだが、 尺がA、B、C、Dで、ちょっと使いにくそう。 対して2634はABの代わりにDFとCF尺がある。 しかしまあ、えらく可愛らしいサイズ。 これなら、たしかにシャツの胸ポケットに収まらなくもない。
刻印が見あたらないので、
いつ頃生産されたのか見当がつかない。
上下にひっくりかえして裏面を出すと左下にXBという刻印があるので、
製造時期は1973年2月ということになる。
説明書の表4には7312Yとあるので、
1973年12月あたりか。
外箱には、2,700円という表記がある。
固定尺をつなげる金属部分に少し錆び状のものが付着していたが、
メラミンスポンジでこすったらきれいになった。
説明書によれば、2634は2664Sを小型にしたものだそうだ。 しかしhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~tomozawa/sr-annex/cat/hemmi.htmあたりを見ると、 2664と2664S-Sが微妙に混じった尺になっている。
これまたYahooオークションでヘンミのNo.30を落札。 2170円だった。 4インチで、実用としては最小サイズだろう。 上下にひっくりかえして裏面を出すと左下にXAという刻印があるので、 製造時期は1973年1月ということになる。 外箱の価格表示はマジックインキで塗りつぶしてある。 説明書によるとマンハイム型で、 表の尺はA、B、CI、C、Dとなっている。 ある意味きれいな配列だが、 ずらし尺がないと連続計算の時に手間が増えるかも。
これで4インチ、5インチ、8インチ、10インチと一通りそろった。 後はヘンミのNo.266あたりかな。 しかし手に入れたヘンミ計算尺が皆1973年製というのも、 なかなかおもしろい偶然の一致だ。
久しぶりに区立図書館に出かけて、「計算尺」で蔵書を検索した。 手引き書が1冊、理論書が1冊見つかったので借りてみた。 ちなみに、最近は軒並みコンピュータ化されていて、検索は簡単。 結果は感熱式のレシートみたいな形で印刷できる。 こいつを持ってカウンターに行けば、 間違いなく目的の本が借りられるという寸法である。
で、「改訂計算尺の手引き-取り扱いから上達まで 山口恭著 コロナ社刊」の83ページになかなかすごい記述があった。 ちょっと長くなるが引用する。
宇宙旅行の空想映画で、 アメリカの技師が計算尺を机辺において研究しつつある場面を見たことがあるが、 月世界へ人類が、有史以来初めて第一歩を印するまでには、 幾多の精密な「計算」が必要であり、 この面でも計算尺の寄与するところは必ず大であることを疑わない。 計算尺を発明した人類の英知は月世界、 いな火星や金星にまでもきわめて近い将来その驚異的な歩みを伸ばすにちがいない。
奥付を見ると、初版が昭和32年。 改訂版が昭和37年、昭和48年に23版発行とある。 アポロ11号が月面に降り立ったのは1969年すなわち昭和44年であるから無理からぬ事とはいえ、 時代を感じさせる部分だ。 まだ金星や火星には到達していないけどね。
理論書のほうも、まあなんとか理解できる程度の物ではある。 身に付くかどうかは別にして。 LogLog尺の理屈なんかを読むと、 昔の人は実に巧妙な仕掛けを考案したものだと感心する。 今時は関数電卓を叩いた方が早く計算できるのだが、 こいつの内蔵プログラムを作れと言われた方が気分は楽だ。 とてもLogLog尺など考えつきそうにない。
使い古しの歯ブラシでNo.30とNo.2634の勘合部を掃除したところ、 見違えるように滑尺とカーソルがスムーズに動くようになった。 いささかスムーズすぎるほどである。
アップルストア銀座に行ったついでに、伊東屋によった。 ヘンミのNo.251がまだ10本以上あった。 でも、Yahooオークションでは2万円以上の値段がついていた。
YahooオークションでヘンミのNo.P253を入手。 2100円也。 刻印はいつもの場所にQFとあったので、 1966年6月製ということになる。 私が本郷から所沢に引っ越しした頃だ。
入手時には滑尺が裏表反対になっていた。 まあ、これはデフォルトとは逆と言うだけで、 使いやすい方にすればいいのだが。 物としてはオールプラスチックス製のオーソドックスな両面計算尺である。 ルート10で切断されているので、なかなか使いやすい。 ただ、滑尺の滑りが今ひとつ。 プラスチックスでも、ロウを塗ればいいのかなあ。 とりあえずシリコンオイルを吹いた。 滑りはよくなったが、 細かく目盛りをあわせる時があいかわずスムーズに行かない。 個体の問題なのか、プラスチックス尺だからのか……。
YahooオークションにてヘンミのNo.2664Sを1100円で入手。 刻印はWLだから、1972年12月製。
受け取ったのは娘で、
「お父さん宛に知らない女の人から荷物が! いったいこれは!?
あ、でもこの手触りだと計算尺だ。
なあ〜んだ、またオークションで落としたのね」
だそうだ。
プラスチックスケースも本体もちょっと汚れていたので、
ケースは石けんをつけてブラシで洗い、
本体はメラミンスポンジで擦った。
まあまあ汚れは落ちたのでよしとしよう。
ただ、滑尺の滑りが悪い。
歯ブラシで勘合部を掃除しても変わらないので、
ロウを塗った。
これでかなりスムーズになる。
やはりプラスチックスの尺より、
竹の尺のほうが滑りがいいような気がする。
同じ10インチ尺でも、 両面式計算尺に比べると少し短い。 A4サイズのフラットベットスキャナで、 ぎりぎり真っ直ぐな位置で取り込めた。 両面式だと、斜めにしないとダメなのだ。
次は5インチの両面計算尺か?
何気なくオークションで3100円という値段を付けたら、 ヘンミのNo.259Dが落札できてしまった。 今まで入手した中では、最もコンディションの悪いもの。 カーソルは上下逆についていて、 カーソルガラスがかなり曇り、 カーソルの枠を止めているネジも1本無い。 まあ滑尺の表裏が入れ替わっていたのはよくある話だ。 汚れも結構ある。 刻み込まれた名前といい、ずいぶん使い込まれた物なのだろう。 刻印はNAで、1963年1月製ということになる。 私とほぼ同じ年齢、というわけだ。
固定尺の片方はかしめてあるので分解できないが、 反対側の固定尺とカーソルはネジ止めである。 さっそく分解して清掃した。 ここで失敗したのが、カーソルガラスの清掃である。 メラミンスポンジで擦ったら、カーソル線が擦れてしまった。 鹿皮で磨いた方がよかったのかも。
意外と遊びがあるので、 組み立てるときには仮止めをしてから様子を見て本締め。 うーむ、カーソルは補修用部品を入手した方がいいかもしれない。
ヘンミのNo.266をYahooオークションで落札。 No.40Kとセットで1万6000円だったが、尺がちょっと黄ばんで、 カーソルガラスがかなり汚れていた。 尺はメラミンスポンジで擦り、 カーソルガラスは分解してセーム皮で拭ったらかなりきれいになった。 また、固定尺が微妙に反っている。 中央付近では固定尺と滑尺に隙間がないのに、 左右端付近だとちょっと隙間があるのだ。 刻印はJだけ? ということは1959年製なのか? 相当に古いから、しかたないか。
電子工学用で、インピーダンスやリアクタンス、 共振周波数などが計算できるそうな。 今まで入手した計算尺はたいてい裏と表の目盛りが連動していたが、 こいつはどうも裏が完全に独立しているような雰囲気である。
こいつがNo.266とセットで入手したNo.40K。 8インチサイズで初学者用と思われる。 最初に買ったリコーのNo.84と尺の配置は同じである。 カーソルもそのまま流用できてしまった。 違いはDF尺がちょっと余分に刻んである所と、 三角関数がSI、TIになっているくらいか。
刻印はNJで1963年11月製。 なんてこった、同じ年齢だ。 うーむ、売り飛ばそうと思っていたのに……。
注文しておいたNo.260のカーソルが届いた。 もうNo.259D用はないのだそうだ。 このカーソルには緑の補助線がある。 これが裏側になるように取り付けた。 中心線と左補助線の間隔は、 Cゲージと左基線の間隔に等しい。 つまり、円の直径から一発で面積を求められる、 ということらしい。 右補助線はどうやって使うのかまだ不明。 動きがずいぶんスムーズになった。
右補助線は、左補助線と組み合わせてkw<->馬力換算に使うらしい。 カーソル線との組み合わせばかり考えていたので、 気がつかなかった。
Yahooオークションで入手した、1000円のHENMI No.250。 紙製のケースに入った状態で、説明書はなし。 表は近代的なC/D/CIとルート10で切断したそのずらし尺、 裏は古典的なABCD尺をちょっと変形させたもの。 LL尺はなし。 とてもシンプルなので、説明書はいらないくらい。 できれば、裏にもC尺がほしかった。 刻印はREなので、1967年5月製か。
例によってカーソルガラスの内側が汚れていて、 滑尺の動きも渋かった。 カーソルを外して磨き、 滑尺にはロウを塗ると見違えるようにきれいでスムーズになる。 尺はあまり汚れていなかった。
Yahooオークションで、もう1本2664Sを入手した。 刻印はIBで1958年2月製か? 落札価格は510円である。 まあお値段なりのくたびれ具合だった。 だいぶ手荒に扱われたのか、
といった状態。 カーソル枠はペンチで修正し、 遊びは固定尺の左側をちょっと握りしめて調整。 あとはいつも通りメラミンスポンジでこすって汚れを落とし、 勘合部にロウを塗って実用上問題のない計算尺のできあがり。
これが新品未開封だと3000円くらいになってしまう。 一応コレクターではなくユーザーのつもりなので、 新品未開封だともったいなくて使えない。 くたびれた中古品の方が気兼ねなく使えていい。
Yahoo!オークションで、259、259D、260、 2664Sを4本まとめて6000円ほどで入手。 2664SはCIF尺がくすんで緑色に見えないほど。 滑尺も緩く、かなり使い込まれた代物のようだ。 260などは、カーソルの裏表で線がずれていた。 適当に固定ネジをゆるめて修正。