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ログイン創刊号の記事にだまされて(?)、 大学入学後初のアルバイト代を使って購入。 1983年当時定価で10万円近くした、泣く子も黙るHPプログラム電卓。 でも、FX-502Pのほうが速かったような……。 そういえばFX-502Pなどの国産電卓だと、 答えが整数に近くなると自動的に小数点以下を表示しなくなる。 ところが、HPの電卓はいつでも指定した桁数だけ、小数点を表示する。 最初はちょっと面食らった。 これが、 指数表示とか工学表示とかになれば有効数字というとらえ方もできるのだが。 機能的には1行表示だし、 70の階乗でオーバーフローを起こすような、 今となっては古色蒼然たる代物。 デザインは古き良き時代のHP電卓で、 キーのクリック感なんかはいいんだけどねえ。
計算は、HP電卓お家芸の逆ポーランド記法(RPN)で行う。 最初はともかく、慣れてしまうと大変快適に計算できる。 普通の電卓が使えなくなってしまうくらいに……。 ドットマトリクスじゃないのに、 がんばってアルファベットが表示できるようにしてある。 さすがに日本語は無理だけど。
メモリはプログラム用と数値記憶用がユニファイされていて、 必要に応じてパーティショニングが可能だ。 標準では数値記憶用に換算して63レジスタ分があり、319まで拡張できた。 デフォルトでは数値記憶用に17、 プログラム用に46という配分だ。 1レジスタは7バイトで構成されている。 命令は可変長で1~4バイト。 1レジスタに最小で1、最大で7の命令を格納できる計算になる。 7×63で441バイト。 7×46では322バイト。 えらく中途半端だ。 拡張メモリは64レジスタと、まだキリがいいのに。 いずれにしても今の基準からすると笑ってしまう容量だが、 1バイトでできることが違ううえに目的が 「計算手順の自動化」なので結構使い出がある。 TK-80よりは多いし。
また四つの拡張スロットを備えていて、 RAMやROM、周辺機器の追加が可能でもある。 とはいえ本体同様高価なので、おいそれとは追加できない。 私はメモリモジュールひとつと数学パックくらいが関の山だった。 プリンタとか磁気カードリーダ/ライタだとか、 HP-ILインターフェイスなんてえのもあったな。 その後メモリを最初からフル装備したHP-41CV、 さらにタイムモジュールを標準で組み込んだHP-41CXなんてバリエーションが出たように記憶している。
いつの間にやら電源が入らなくなり、壊れたものと思っていた。 時既に遅く修理もままならない。 が、今日思い立って電池との接点部分を鉛筆の芯で擦り、 電池を交換したら生き返った。 使用電池は単五が4本である。 変な専用電池ではないので、今でも簡単に入手できるのはありがたい。 最初は表示がへんてこりんで、 次に電源を入れ直したら「MEMORY LOST」と表示されたが、 そこからあとは至極まともに動いている。
全ての機能がキーにアサインされているわけではないので、 場合によってはXEQキーで実行する機能を指定する。 で、数学パックがささっているとこっちもスキャンするらしく、 実行までにえらく時間がかかる。 今となってはHP-41Cの数学パックなどたいした機能ではないので、 外してしまった。
そういえば、HP-41Cにはほかの電卓で見たことのない機能がある。 キーを押してすぐに離すとアサインされた機能が実行されるのだが、 しばらく押していると実行される機能が表示される。 さらに押していると「NULL」と表示されて動作がキャンセルされるのだ。
これはHP-41Cには様々な機能を各キーに割り当てる機能があるからだ。 キーに刻印してある機能が実行されるとは限らないのである。
動作キャンセルは「×」を押してから、 「しまった、かけ算じゃなくて割り算だよ」 という時に重宝する。
久しぶりに使おうと思ったら電源が入らない。 電池切れかと思ってケースを開けたら、 ばっちり液漏れしていた。 析出物を掻き取って、ティッシュペーパーで拭い取り、 鉛筆でこすっておく。 電池も買わなきゃなあ。