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四半世紀を超えてなお作られ続けている、金融電卓の代名詞。
バグがあるのだが、
あまりに普及しているのでそのバグのほうがスタンダードになったという話を聞いたことがある。
金融計算には縁がないものの、
HP-11Cの予備機として購入した。
機能的にはHP-11Cのほうがしっくりくるのだが、
こっちはもう売っていない。
しかも、RPNが使える最も安いモデルがHP-12Cなのだ。
(HP 35sのほうが安かった……)
正確にはオリジナルではなく、
Platinumの25周年モデルを入手した。
ジュライで1万980円也。
Platinumはシルバーベースでどうも変な感じがするが、
25周年モデルは昔ながらの色に近いので馴染みやすい。
特に宣伝されていないようだが、
オリジナルに比べると6倍早いとパッケージに書いてあった。
革製のごついセミハードケースがおまけで付いてくる。
あんまり使いやすいとは言えないが。
HP-11CはLR44かSR44(G13)を三つ使っていたが、 HP-12CはCR2032一つである。 同梱されていた古い日本語マニュアルのコピーによれば、 HP-12Cも当初はLR44かSR44を使っていたようである。 LR44だと6ヶ月、SR44だと1年くらい動作すると書いてあった。 手持ちのHP-11Cは使用頻度が低いこともあって、 この間電池を交換したのがいつだか思い出せないくらい電池が持つ。 CR2032だとどのくらい動くのかは書いてなかった。
ブリスターパックを開けて手に取ってみると、違和感がある。 そこでHP-11CとHP-12Cを並べてみたら、キートップの光沢感が違うのだ。 HP-12Cのほうはつや消しなのである。 また、クリック感はHP-12Cのほうが少し柔らかい。 電源スイッチは、しっかり押さないとうまく動かない。 これだけはHP-11Cのほうが確実に上である。
四則演算や統計、 パーセント関係はHP-11CもHP-12Cもほとんど変わらない。 大きな違いは、三角関数が無くなってローン計算ができること。 初期値、返済額、返済回数、利率、 終値という5パラメータのうち4個がわかると、 残りを自動的に計算してくれる。 それぞれを入力したり計算したりするために、 専用のキーが左上に用意されている。 時系列的には逆になるものの、 HP-48GのSolverがローン計算に特化した感じだ。 もちろんアメリカでの計算方法を使っているはずなので、 日本でそのまま通用するのかは知らないが……。 債権関係の計算もできるらしいのだが、 私にはその辺の素養がないのでHP-48G以上に使いこなせそうにない。 日数計算は金融計算の副産物だろう。 もっとも表記は英語式にmm.ddyyyyかdd.mmyyyyなので日本人にはちょっと使いにくい。
プログラムに関しては、 どうもHP-12Cはラベルを使えないようだ。 分岐先は常にライン番号という絶対アドレスで指定する。 これで100ステップを超えるプログラムは組みたくないなあ。
指数が99を超えるとオーバーフローを起こすようで、 70の階乗が計算できないのはHP-11C、HP-12Cに共通である。
オリジナルとPlatinumの違いは電池と速度だけではなく、 メモリも増えているらしい。
という仕様から、
となっている。
バックスペースとアンドゥも、オリジナルには見あたらない。
RPN使いには関係ないところでは、 代数的入力(いわゆる数式通り)も可能になった。 普通の電卓と同じで、1+2*3と入力すると9という答えが出る。 ま、使わないだろうけれど。